不整脈とは
心臓の鼓動のリズムが一定ではない状態です。一言に「不整脈」と言ってもたくさんの種類があり、「脈が速くなる(頻脈)」ものや「脈が遅くなる(徐脈)」もありますし、「命に関わらない」から「突然死の原因になる」もの、「脳梗塞の原因になる」ものもあります。
健診での心電図検査で不整脈と判定されることもあれば、動悸・息切れ、脈が飛ぶなどの症状から医療機関を受診し不整脈に気づくこともあります。無症状だとしても、不整脈と指摘されれば治療が必要なこともありますので一度循環器内科で診察をお受けください。
主な不整脈として以下のものが挙げられます。
- 期外収縮(心室性・上室性)
- 心房細動(発作性・持続性)
- 洞不全症候群
- 房室ブロック
- 発作性上室性頻拍(PSVT)、WPW症候群
期外収縮とは
期外収縮は、洞結節(生来のペースメーカー)以外から電気的刺激が発生している状態のことです。それが心室から生じるものを心室性期外収縮、心房で生じるものを上室性期外収縮と言います。期外収縮が生じると脈が飛ぶ症状がみられますが、無症状の場合も少なくありません。自律神経の異常や興奮(アルコールやカフェインの過剰摂取、ストレス、睡眠不足、疲労、加齢など)に影響を受けますが、心臓の病気(心筋梗塞、心不全、心筋症、弁膜症など)による場合もあります。また上室性期外収縮は心房細動の原因にもなるため症状はなくても一度循環器内科で診察をお受けください。
心房細動とは
心房細動とは脈がバラバラになってしまう不整脈です。「治療が必要な不整脈」のなかでは最も多く、日本の患者数は100万人以上と推測されています。高齢者に多いことから、今後高齢化に伴ってさらに増加すると予想されています。心房細動は、脳梗塞や心不全を引き起こすことがあるため、自覚症状はなくても必ず精密検査や治療が必要となる病気です。
検査について
まずは「突然死」や「脳梗塞」につながるものかを見極めることが大切です。当院は循環器内科が専門であり、「不整脈」もその一つです。不整脈の診断は通常の心電図では難しいことが多く、当院では「ホルター心電図(24時間心電図)」をご用意し的確に診断を行います。
「スマートウォッチに不整脈の表示が出て心配」とご相談いただくことが多くなってきました。当院ではスマートウォッチや携帯心電計に記録されている波形を参考に循環器専門医が診察させていただきます。
また心臓超音波検査で心臓の大きさや動き、弁の異常の有無などを調べるほか、血液検査で不整脈を引き起こす病気の有無などを調べていきます。
治療について
生命に影響ない上に、自覚症状が乏しい場合は経過観察となります。また命に関わらなくとも日常生活に支障をきたしている場合は治療の対象です。この場合、薬物療法が中心で抗不整脈薬を用いて治療していきます。心房細動や心房粗動による不整脈であれば抗凝固薬(血をサラサラにする薬)を使用します。循環器専門医が診療にあたり状況に応じて薬の調整を行います。お薬の継続が必要なことがありますが、カテーテル治療(カテーテルアブレーション)によってお薬が不要になる場合もあります。必要に応じてカテーテル治療についてもご提案いたします。
脈が遅くなる不整脈(徐脈性不整脈)で自覚症状がある場合は、ペースメーカー植込が必要な場合があります。当院ではペースメーカー植込後の患者さまに必要なペースメーカー機器の定期検査にも対応します。